41: 恋愛のループ&ループ









俺、死んだらもう一度君に会いに行くよ。













「次生まれ変わったら、跡部は何になりたい?」

「なんで」

「や、なんとなく」







君の真意はいつも読み取れない。
突飛な事を言っては、俺を惑わせたり悩ませたり考えさせたり。







「そうだなぁ」

「神とか?」

「アホか」







きっと本当の君を少しでも理解してる奴はそういない。







「俺はもっと現実的なものになりたいような気がする」

「気じゃん、それ」







だから君の事がもっと知りたいよ。

笑顔の奥の冷酷さ。
無表情の中の慈愛。
動く指先や送られる視線の意味を。



何度も悪戯されてからかわれて笑われて。
喧嘩して泣いて悔しくて泣いて。
傷付けて傷付いてまた笑う。



そんな幸せと苦悩の悪循環がいくら続いても。







「じゃあ慈郎は?」

「俺はー、ダンゴムシとか?」

「じゃあ俺もダンゴムシでいいや」

「おい真面目に考えろよ跡部」

「ハイハイハイハイ」

「うわっそれうぜぇ」








君と出会うために生まれたい。
君を守るために生きていたい。
君と笑うために息をして
君に騙されるために心臓に血を送る。
君が泣くから強くなり
君が痛いなら癒してあげる。





俺は君に出会うために
この世に生を受けたいんだ。







「なぁ慈郎、分かるか?」

「何が」

「お前に理解出来るか?」

「…俺あとべのそーゆーとこすっごく嫌いだな」

「俺はどの時代に生まれ落ちてもいい。ただ、お前に出会ってお前と生きていけるならな」

「…」

「お前に理解出来るか?慈郎」

「………さっぱり、理解不能だ」







そう言って君は嬉しそうに笑う。
それを見て俺は嬉しくなって笑う。







“次何に生まれ変わりたい?”















「慈郎に出会って、恋が出来る生物。それが満たされるならなんでも」















恋愛のループよ此処に。










終


2007.03.26.





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