俺、死んだらもう一度君に会いに行くよ。
「次生まれ変わったら、跡部は何になりたい?」
「なんで」
「や、なんとなく」
君の真意はいつも読み取れない。
突飛な事を言っては、俺を惑わせたり悩ませたり考えさせたり。
「そうだなぁ」
「神とか?」
「アホか」
きっと本当の君を少しでも理解してる奴はそういない。
「俺はもっと現実的なものになりたいような気がする」
「気じゃん、それ」
だから君の事がもっと知りたいよ。
笑顔の奥の冷酷さ。
無表情の中の慈愛。
動く指先や送られる視線の意味を。
何度も悪戯されてからかわれて笑われて。
喧嘩して泣いて悔しくて泣いて。
傷付けて傷付いてまた笑う。
そんな幸せと苦悩の悪循環がいくら続いても。
「じゃあ慈郎は?」
「俺はー、ダンゴムシとか?」
「じゃあ俺もダンゴムシでいいや」
「おい真面目に考えろよ跡部」
「ハイハイハイハイ」
「うわっそれうぜぇ」
君と出会うために生まれたい。
君を守るために生きていたい。
君と笑うために息をして
君に騙されるために心臓に血を送る。
君が泣くから強くなり
君が痛いなら癒してあげる。
俺は君に出会うために
この世に生を受けたいんだ。
「なぁ慈郎、分かるか?」
「何が」
「お前に理解出来るか?」
「…俺あとべのそーゆーとこすっごく嫌いだな」
「俺はどの時代に生まれ落ちてもいい。ただ、お前に出会ってお前と生きていけるならな」
「…」
「お前に理解出来るか?慈郎」
「………さっぱり、理解不能だ」
そう言って君は嬉しそうに笑う。
それを見て俺は嬉しくなって笑う。
“次何に生まれ変わりたい?”
「慈郎に出会って、恋が出来る生物。それが満たされるならなんでも」
恋愛のループよ此処に。
終
2007.03.26.
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