35: 雪のように












跡部の言葉が胸に残った。

いつまでも残った。

魚の骨が喉にかかってるみたいに、とれそうなのに中々とれない。









だんだんと胸が苦しくなる。
自然とぎゅっ、て音を立てた。
まるで雪の上を歩くみたい
重くて密度があって、なのに心ひかれる音がした。








「慈郎を愛さなかった日は一度もない。慈郎の手をとって後悔した日も一度もないよ」






胸がぎゅっ、て音を立てた。
まるで雪の上を歩くみたいな
重くて密度があって、大好きな音。
冬になったら毎年聞きたくなる音。




きっと、跡部は大地なのだね。




真っ白な跡部という大地を踏みしめて、空虚間と愛を両方独り占め。




それってなんてすごい、至上の贅沢と飢饉。











「あとべを好きになって苦しかった日は沢山あった。でも、苦しければそれだけ、跡部を好きになった」










俺の言葉は跡部の胸に残ってる?










今年も一年、色んな気持ちや思いを二人で重ねていこう。

まるで雪のように、降り積もって重なって重くなって、でもそれでも綺麗に。



そう、まるで雪のように。












明けましたよ、今年もよろしく

愛する人と、未来の時間よ。












終


2007.01.17.





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