26: 未来地図
















違う歩幅
違う速度
違う温かさ




それは切なくて愛しい君と僕の違い











「大丈夫か?」

「ん」






眠たそうに目を擦りふらふら後をついてくる。

右に、左に、まっすぐは歩けないけど確実に前へ。

後ろをぴったりと着いて歩く。





「ほら」

「うん」






手を伸ばすと手を取ってくれる。

二人分の優しい力と体温が
混ざって溶けて地上に還る。






なぁジロー

俺達、同じ早さで歩いていけたらいいね

二人で同じ夢を追いながら。






「ジローは夢ってある?」

「うん」

「何?」

「あとべとの幸せ」

「…そうか」






即答。

きっとジローは俺を喜ばせる天才だ。






「…」

「…っわ」





歩きながら不意打ちを、
耳に唇を寄せて小さなキスをプレゼント。

こんなに気分がいい日なんだ、
少しばかり大胆になってもいいだろう?





いつもある当たり前が
君が横にいる日常が

何より幸せ。






「好きだよ、ジロー」

「…知ってる」

「知ってても聞いて?」

「うん、言って」






蜂蜜よりも甘く
可愛らしく愛しい君に



君に愛を。









終


2006.09.28.





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