未熟だとか未完だとか。
その否定を掲げるために付け足される文字に
幾度と無く苦しめられた。
「お前はまだまだ未熟な子供だ」
「そんな非現実的な夢を語ってどうするつもりだ」
「お前の体はいつ見ても未完成であどけない」
「なのに何だこの淫猥な体は」
「こんな所ばっかり発達しやがって」
「まぁ、そんな風にお前を開発したのは俺だがな」
全部、捨て去りたい俺の記憶達。
でも、捨て去ることの出来ない俺の記憶。
記憶を捨て去る事など出来ない。
一度自分を関して起こった出来事は、必ず消す事など出来ない。
しかし、人は物事を「忘れる」。
普段脳の中の格納庫にしまわれている全ての記憶。
記憶は、それを思い出すためのキーワードを差し出す事により、記憶を呼び覚まし始める。
何度も試行錯誤して、一つの記憶と一つの記憶をくっ付けては切り離し、また違うパーツをくっ付ける。
そうして一つの記憶を作り上げ、「思い出す」と言う現象に陥らせる。
だから記憶は厄介なんだ。
全てを思い出させてしまうこの脳。
「悪ぃけど……、お前は俺には不必要なんだ…」
あとべ
アトベ
跡部
「………っ……あとべ…っ……俺は…………っ!」
この狂おしい想いを俺は
おれは
終
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